2006年マイベスト5小説編

1.ハイドゥナン (著)藤崎慎吾

ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズ・コレクション)

ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズ・コレクション)

ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズ・コレクション)

ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズ・コレクション)

西南諸島の沈没の危機が迫る。これこそが人類滅亡への引き金。人類存亡を賭けた人々のドラマ。与那国島のムヌチである後間柚と心を通じ合う岳志が大地の怒りを沈めるために、“14番目の御嶽”を探す。
日本沈没を彷彿とさせるハードな設定で魅了するSF作品です。昨年の作品ですが、今年読んだ本の中では最高でした。
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2.銀盤カレイドスコープ (著)海原零

フィギュアスケートへの興味を一気に駆り立ててくれた作品。8,9巻で最終話となります。今年記憶に新しいのはトリノでの荒川静香の金メダルですが、物語の舞台は次バンクーバ五輪の年。主人公タズサが女帝リアにすべてを賭けて挑む最後の演技は鳥肌が立ちました。終わってしまうのが残念な作品ですが、バンクーバ五輪でこの作品がまたクローズアップされたらよいなぁと思います。
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3.マルドゥック・ヴェロシティ (著)冲方丁

マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ 2 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ 3 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・ヴェロシティ 3 (ハヤカワ文庫JA)

マルドゥック・スクランブルで敵役だったボイルドが万能ネズミ型兵器ウフコックとコンビを組んでいた頃の話。つまりスクランブルに先駆けた話です。
スクランブルがエピソード4〜6、ヴェロシティがエピソード1〜3だとするとス他ウォーズのような構成となります。ボイルドはさしづめダースベイダーの役所。ただヴェロシティで語られるボイルドはアナキンのような軟弱さはなく、完全無欠なタフガイです。そして虚無に身を任せるまで友であるウフコックへの想いを感じます。サイバーパンクSF、ハードボイルドな話が好きな方にお勧めします。
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4.空ノ鐘の響く惑星(ほし)で (著)渡瀬草一郎

ファンタジーSFの傑作でしょう。大団円な終わり方で読了感が心地よかった。一部には主人公フェリオとWヒロインであるウルクとリセリナの三角関係の決着に不満がある方も見受けられますが、私はこれが一番よかったと思います。
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5.天涯の砦 (著)小川一水

天涯の砦 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

天涯の砦 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

事故で取り残された宇宙ステーション一部を舞台にしたSFミステリ。秀逸なアイデアが散りばめられ、SFファン、ミステリファンの両方にお勧め出来る作品。
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