【書籍】たったひとつの冴えたやりかた THE STARRY RIFT

ISBN:4150107394
→著者:ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
同じ世界観をもつ、3つの中篇からなる海外SF作品。
たったひとつの冴えたやりかたは、1篇の題名で
原題はThe Starry Fift。邦題は一番悲しい話である
たったひとつの冴えたやりかた」になっている。
「冷たい方程式」のような冷徹さはないが、
宇宙でなにか起きて誰の助けもないとき、
人間がとる行動をしめしてるのかもしれない。
残り2篇は昔の恋人が乗った宇宙船が海賊襲われ、
それを助ける話と人類と異星人のファーストコンタクトで
不幸にも戦争が起きそうになる話。
これらの話では光速を超えた技術がまだないため、
時間と距離のジレンマが見事に書かれていて非常に楽しめた。


最後に私がこのちょっと古い話を今更読んだ理由ですが、
よくわかる現代魔法の最新刊で「たったひとつじゃない冴えたやり方」
という本があって興味をもったから。
主人公こよみの師匠である美鎖が考えた「たったひとつの冴えたやり方」を
真っ向から否定して、もうひとつの選択肢を取ったこよみの行動は、
お子様向けの話っぽいが、冷徹さよりぬくもりのある解決策が個人的には好き。
ということで、そのオマージュとなったなった本家の方を読んでみました。