【書籍】マルドゥック・スクランブル1〜3(ISBN:4150307210、ISBN:4150307261、ISBN:415030730X)

2003年度日本SF大賞、SFが読みたい!2004国内篇第1位等、
昨年の発行されたSF作品では一番の評価を受けた作品。
最近買ったのだが、読み始めから引き込まれて、一気に読ませてもらった。
設定は主人公が美少女*1など日本のジュブナイルSFにありがちなところがあるが、
全3巻を一気に読ませる物語の展開と文章力がある。
今年読んだ本では一番おもしろかった。
特にカジノシーンは圧巻。
ポーカ、ルーレット、ブラックジャックと主人公がプレイするゲームについて
定石からプレーヤ同士の心理戦までを詳細に書き上げてある。
このカジノシーンは2巻の途中から3巻の途中までおよそ1巻分を使っているが、
本作においては、これが最大の見せ場。
ラスボスとの戦いよりもこっちの戦いの方がおもしろい。
余りにカジノシーンがよかったので最後のラスボスとの戦いがあっけないと思えた。
実際にページ数から考えてもそうだし...
あきらかにSFであるが、ギャンブル小説としてみても最高だと思う。

*1:少女娼婦という設定だけど